名川繊商株式会社

天然繊維素
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wool
世界には約3,000種11億頭の羊が飼育されています。羊毛の供給国は、オーストラリアをはじめ、イギリス、フランス、ニュージーランド、南アフリカなどの国です。
ウールが暖かいのは、ふわふわと絡み合ったウールのわたの中に沢山の空気を含んでいるからです。空気の熱伝導率が大変低いため、繊維組織内にある空気が外部の冷たい空気を防ぐ一方、内部の暖かさを保つことになるのです。また、ウール製品はムレたり、ジメジメした嫌な感じがしません。これは、ウールが湿気を吸収する性質と、その繊維表面で水をはじくという性質とが共存しているからなのです。
down
軽く暖かいうえに、かさ高くドレープ性に優れるダウンは、防寒衣料用に、また寝具として人気のある素材です。
ダウンと称される羽毛の主原料は、グースやダックという水鳥です。本来これらのグース、ダックともに使途が食用なので、若いうちに処理される場合が多いのです。しかし、羽毛としての性能、弾力性、かさ高性能、保温力などは、十分生育した鳥から採取した方が優れています。
alpaca
絹のような光沢と肌触りが素晴らしい素材アルパカ。 アルパカは、標高3,000m~5,000mのアンデスの高地に生息しています。昼間は強い直射日光と冷たい強風にさらされ、夜間は凍える寒さとなる高地ならではの気候の中、極端に乏しい食糧事情で育ちます。しかし、この苛酷な生育環境が、アルパカの細く柔らかい毛質を作り出し、ウールやモヘヤ、カシミアなどとも異なる、独特の素晴らしいキャラクターを与えているのです。
アルパカは、独特の光沢を持ち、柔らかく、丈夫な繊維です。繊維自体はポケット構造を持つ多孔質で、外気温が暖かいとポケットが開き、寒いと閉じるという、優れた温度調節機能持つのも特徴です。
mohair
モヘヤ繊維の生産量は世界の繊維生産量の0.05%以下と極めて希少な繊維です。モヘヤはアンゴラ山羊から採られる獣毛繊維で、獣毛の中では一番優れた光沢を持っています。モヘヤは月に約25mm、年間300mmに伸び、年2回刈り取っても半年で約150mm伸びるなど繊維長が長いことから、テキスタイル用として評価が高い。また、発色性が高く被染色性に優れ、時間および他要因、または酷使などからの避退色性に優ります。この高い染色性が「繊維のダイヤモンド」という別称の由来でもあります。モヘヤ繊維の表面は滑脱性があり、ホコリが付着しにくいため、家具用生地や室内装飾用生地としても珍重されています。
camel
キャメルの原産地は、中央アジアのアルタイ山脈とタリム河との間にある砂漠と推定されています。繊維として利用できるキャメルの毛がとれるのはふたこぶラクダのみで、主に中国、外蒙古を中心に産出され、全世界での産毛量も羊毛の0.1%にしかすぎません。ラクダの毛の外側の大半は粗硬毛で、針金のように強靭ですが、内側の毛は細い軟毛です。整毛した軟毛は平均18/23ミクロンで、大変軽く、毛と毛の間に空気を張らんで盛り上がる性質があり、保温力に優れています。
cashmere
チベット原産の山羊、カシミヤ山羊から採れる毛をカシミアと呼びます。繊度が細く、柔らかで、独自のぬめり感と光沢を持ち、深みのある色調が愛されています。カシミヤ山羊は、頭と四肢以外の全身に粗毛が生え、その内側に防寒用の柔毛が密生しています。この柔毛は、春になると自然に脱落するので、これを櫛ですきとって集めます。1頭あたりの産毛量は150gから250gとごくわずかで、ショールをつくるのに10頭の山羊が必要だといわれます。
angol
アンゴラ・ラビットは、中型で、耳は長く、毛色は白色が多いウサギです。毛長は12cmから15cmに達し、絹糸のように極めて美しいのが特徴です。アンゴラは、平均繊度が12/14ミクロンと極めて細く、毛と毛の間に空気を含み脹らんで盛り上がる性質があるなど、軽く、保湿性に優れた繊維です。また、髄が中空で、大変デリケートな毛であり、フェルト化しやすく、加工工程での取り扱いに高度な技術を要する原料です。染色も大変難しく、近年の染色技術の向上により多色展開が可能になりました。